紙本墨書日蓮聖人真蹟一行断片
しほんぼくしょにちれんしょうにんしんせきいちぎょうだんぺん
概要
日蓮(1222~82)の没後、多くの真蹟遺文の内の幾つかは、一行から数行に分割されて、弟子をはじめ信者に分与され後世に伝えられた。この「日蓮真蹟断片」もその一で、「其□幾多、雖然於各一身之咎者」(その□幾多なり、然りといえども各々一身の咎に於いては)と読めるが、どの書の一部かは不明である。端正な運筆の風からみると、身延山で揮毫された晩年の著書の内の一行である。日蓮宗寺院の少ない当地方にあって、祖師からの法灯を示す聖物として伝え、一門の信仰を集めてきた。