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グラヴュール若葉文ガラス杯

ぐらあゔゅーるわかばもんがらすはい

概要

グラヴュール若葉文ガラス杯

ぐらあゔゅーるわかばもんがらすはい

ガラス / 江戸

製作者不詳/アイルランド製

江戸時代、文政3年/1820年

ソーダ石灰ガラス

口径5.4 高11.6 比重3.23

1

びいどろ史料庫コレクション

来歴:1984びいどろ史料庫→2011神戸市立博物館

参考文献:

・神戸市立博物館『ギヤマン展 あこがれの輸入ガラスと日本』(神戸新聞社、2014)

グラヴュールによって、杯の周囲にチューリップのような花卉文を施した脚付き杯。グラヴュールとは、回転する金属、あるいは石製の円板に、器を押し当てるように表面を削って装飾を施す技法です。この花卉文は、18世紀末から19世紀初めにかけて、イギリスやアイルランドで流行したもの。 

本器は、19世紀にヨーロッパから日本にもたらされた輸入品の一つと考えられ、収納箱に文政13年(1830)の箱書きが残ります。その木箱には、周囲を覆うように、龍が描かれ、蓋の表面には「茲夜光盃/避賢楽聖/于月千花/形影相映/頷下収蔵/教家珍永」とあります。詩中の「夜光盃(やこうはい)」とは、玉(ぎょく)で作られた盃を意味し、中国・唐代の詩人王翰(おうかん)の「涼州詞(りょうしょうのうた)」などの漢詩にも散見される。詩文の最後にある「頷下(がんか)」とは、顎(あご)の下に収める、という意味で、龍の顎の下にある珠玉(しゅぎょく)を指すとともに、手に入れにくい重宝の例えとされます。収納箱の天井部には、龍の頭が配され、中に収められたガラス器は、龍の珠玉に見立てられています。

【びいどろ・ぎやまん・ガラス】

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