華洛四季遊戯図巻
からくしきゆうぎずかん
概要
京都の四季、春は嵐山の花見、夏は賀茂川の夕涼み、秋は盂蘭盆の踊り、冬は師走の賑わいと京都の市民になじみの深い情景を描いている。円山応挙は自然観察を重視し、平明で親しみやすい写生的な表現によって多くの人々の共感を得ていた画家である。本図にも日常生活の何気ない場面を題材として、ほのぼのとした情感が表されている。詞書は京都の高名な書家、高橋若狭守宗直(一七〇三-八五)の筆である。本図には草稿が二本(東京・個人蔵、デトロイト美術館蔵)が現存しており、デトロイト本の跋文に本図は九条家から尾張徳川家に贈られたこと、安永六年(一七七七)以前の製作になることが記されている。
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