桶茶道具
おけちゃどうぐ
概要
桶茶道具
おけちゃどうぐ
愛知県
江戸
茶桶:木製、底板の周囲に9枚の榑を巡らし、竹製の箍を上下に配して締めている。
茶筅:竹を縦方向に割裂いた簓。
曲げ物:木製、薄板を丸め接合部を桜皮で綴じた後、外面には漆が塗布される。楕円の平面形。
茶碗:陶器製、体部外側面に押圧痕のある美濃窯で生産。漆黒釉が施釉、器表に配された長石が発泡して景色となっている。口縁部の3か所が欠損し、金継がされている。
茶桶 口径19.5cm 底径16.2cm 高さ19.3cm
茶筅 径3.8cm 高さ20.0cm
曲げ物 長径12.8cm 短径8.0cm 高さ6.4cm
茶碗 口径11.1cm 高台径5.0cm 高さ7.2cm
一式(茶桶1点・茶筅1点・曲げ物1点・茶碗1点)
愛知県豊田市稲武町タヒラ8番地
豊田市指定
指定年月日:20170703
一般財団法人 古橋会
有形文化財(美術工芸品)
北設楽郡稲橋村の商家であり、18世紀には名主も務めた古橋家に伝世したが、現在、その習俗そのものは途絶している。
三河山間部における桶茶の伝世品は、宮本馨太郎の著作『めし・みそ・はし・わん』(1973年刊)で北設楽郡豊根村の事例が、また、『山村民俗の物質文化的研究』(1990年刊)で津具村民俗資料館所蔵資料が紹介されている。これらの諸例と、古橋懐古館所蔵資料から復元すれば、桶茶の道具としては本来、茶桶・茶筅・塩入れ・茶碗に加え、柄杓などが必要であったと推測される。