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戯れ

概要

戯れ

日本画

北野恒富  (1880-1947)

キタノ、ツネトミ

昭和4年/1929

彩色・絹本・軸・1幅

136.5×85.8

右上に印章

16回再興院展 東京府美術館 1929

29 北野恒富(1880−1947) 戯れ 1929年
 金沢生まれ。本名富太郎。はじめ版下技術を学ぶかたわら南画を学ぶが、1897年に大阪に出、翌年月岡芳年と幸野楳嶺に学んだ挿絵画家、稲野年恒に入門。恒富自身も小説挿絵の仕事に携わる。1910年第4回文展に《すだく虫》で初入選を果たし、以後数回文展に出品するが、15年の出品を最後に、院展に活躍の舞台を移した。
 若葉の下でカメラを覗き込む若い芸妓。従来の美人画とは異なるモダンな題材である。芸妓の鹿の子絞りの着物、髪に差した簪の翡翠、若葉の緑で全体のトーンをまとめており、初夏のすがすがしさを伝えている。操作の難しい高級カメラに手を添えてそっと覗き込んでいる芸妓の様子がほほえましい。芸妓を上半身で切り画面上半分を若葉で覆い、俯瞰の視点で描いており、構図もまた非常に斬新である。女性を描くにも、単なる目鼻立ちの整った美人を描くというより女性の生命感や情趣を表すことを重視するという恒富ならではの着想がうかがえる。

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