鈴
すず
概要
いずれの鈴のなかにも鉄製ないし石製の球が入っており、振ると音が鳴る。下面にはスリット(鈴口)があり、その両端は横方向に広がる楕円形か宝珠形を呈する。上面には鈴を吊架させるための鈕がつく。4個体のうち、ひとつには横方向の挽き目が表面をめぐる。
いずれの鈴も馬の装飾に用いたものと推定される。ほぼ同形で、鍍金を施した青銅製の馬鈴が中国・韓国・日本の墳墓で遅くとも6世紀以降のものから出土している。4個体のうち3つは福岡県宗像市の須江須賀浦9号横穴墓などで類例が出土していることから6世紀頃の製作、後者は中国・遼寧省北票市白家窩舗の遼墓から類例が出土していることから10~12世紀の製作であると推定される。