綱絵巻
つなえまき
概要
この作品は、平安時代の武将、源頼光(みなもとのよりみつ)が酒呑童子(しゅてんどうじ)という鬼の頭領を退治する有名な物語の後日談を描いたものです。
主人公は、頼光の部下で、四天王(してんのう)と呼ばれた勇猛な武将のひとり、渡辺綱(わたなべのつな)です。
なんと、酒呑童子の配下の鬼が1匹逃げ延びて都の羅生門(らしょうもん)の上に住みついているというではありませんか。綱は、頼光から名刀を授けられ、鬼を退治にしに行きました。見事、鬼の右腕を切って、持ち帰ったところ、突如雷鳴がとどろき、鬼に右腕を取り返されてしまいました。ここまでが前半のお話。
後半では、頼光が重い病にかかってしまいます。今度は牛鬼ののろいだということで、ふたたび名刀を授けられた綱が、退治に行きました。牛鬼の腕を切って持ち帰ったのですが、今度は、綱の母親に化けた牛鬼が腕を取り返しにきます。
この鬼退治の際の名刀は、のちに源氏に伝わりました。
作者や伝来はわかっていませんが、おそらく源氏の流れをくむ武家がつくらせたものでしょう。