蝦夷地図
えぞちず
概要
北海道島を中心に、南は下北半島・津軽半島など青森県域から、北は「さんたん」「唐ふと」「れぶん」と記した大陸までを描いた絵図。北海道島の沿岸部には「松前」「箱舘」「江指」のほか、「宇須(有珠)」「しらをい」「くすり(釧路)」「そうや」「てしお」「石狩」など、現在もみられる多くの地名を書き込むが、形状は、概ね正確な道南部を除き、実際の地形と大きくかけ離れている。このため北海道島の全形が全く整っておらず、いわゆる初期蝦夷図に分類される。
なお青森県側には「南部大膳亮」「津軽釆女」「津軽土佐守」の領主名が認められ、そこから正徳2年(1712)から享保10年(1725)の製作年代が想定される。