紙本金地著色 三十六歌仙図
しほんきんじちゃくしょく さんじゅうろっかせんず
概要
左方に属す十八人の歌仙はいずれも右を向いて上畳に座している。大胆に配置された畳の上に身ぶり豊かな歌仙が連なり、画帖や扁額に見られるような単調さをうち破っている。また、幾分、又兵衛風を誇張した各歌仙の表情も見所となっている。
先頭は紀貫之で、後方に伊勢と遍昭、二列目に山部赤人、紀友則、小野小町が並ぶ。次の六人は左上隅に座し、弓を手にする藤原高光に、藤原朝忠、大中臣頼基、壬生忠岑、源重之、源信明が並ぶ。残る六人は最後部に単独で位置する中務を除くと比定が難しいが、先頭が藤原元真、小町の隣が藤原仲文、残りは他の歌仙図を参考にすると、壬生忠見、源順、清原元輔かと思われる。最初の六人と中務以外は佐竹本などとは順番が違っている。