手鑑「筆陳」
てかがみ ひつじん
概要
江戸時代・宝永6年(1709)までに長府藩主毛利家で作製され同家に伝来した、全41葉を収める手鑑。平安~江戸時代前期の宸翰・公家能書の筆跡16葉、室町時代の連歌師筆跡4葉、鎌倉~安土桃山時代の武家文書・筆跡15葉、安土桃山~江戸時代前期の能書筆跡4葉、伝張即之書1葉、中国・明の文人の書1葉からなる。主なものに伏見天皇宸筆の筑後切や書状、後柏原天皇宸翰書状、近衛信尹書状、伝後京極良経筆常知切、伝藤原公任筆砂子切、伝藤原定家筆儀式記録、足利尊氏・直義発給文書、織田信長黒印状、羽柴秀吉知行宛行状、本阿弥光悦書状、寧波の文人・方梅厓書などがある。種類・時代とも幅広く、良質の文書・筆跡が多く含まれる。