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福島県天王山遺跡出土品

ふくしまけんてんのうやまいせきしゅつどひん

概要

福島県天王山遺跡出土品

ふくしまけんてんのうやまいせきしゅつどひん

考古資料 / 弥生 / 東北

福島県

弥生時代後期

一括

福島県白河市中田7-1

重文指定年月日:20240827
国宝指定年月日:
登録年月日:

白河市

国宝・重要文化財(美術品)

 天王山遺跡は、阿武隈川左岸の丘陵上に所在する弥生時代後期前半(1世紀頃)の集落遺跡である。昭和25年に初めて発掘調査が行われ、出土した多数の土器は東北地方から北陸地方にかけて分布する「天王山式土器」の標式資料として、広く学界に認知されている。
 土器には、壺、甕、高坏、鉢などがあり、壺には注口や片口の付くものが含まれる。壺や甕は、筒形の頸部に波状や突起の付く口縁部をもつ例が目立ち、地文は縄文で、縦走・横走する例が多い。文様は刺突文を交互上下に入れて波状沈線様とする交互刺突文が特徴的で、他に連弧文や変形工字文などがあり、磨消縄文の手法も多くに用いられている。これらの内、波状や突起の付く口縁部、変形工字文や磨消縄文などは、縄文時代晩期の土器の特徴と似ており、そのために「天王山式土器」の年代について論争となったことは、学史的に著名である。現在、縦走・横走する地文の縄文は、北海道に分布する恵山式土器に影響を受けたものとされ、縄文時代的な要素は続縄文文化に系譜をもつと理解されている。
 石器・石製品には、アメリカ式石鏃と呼ばれる、逆T字形をした特徴的な石鏃が含まれており、一遺跡から出土した数量としては最多を誇る。この石鏃の分布も「天王山式土器」と時期、地域が重なっており、天王山遺跡の出土品は、東北地方における弥生時代後期前半を代表する遺例と言えよう。

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