金銅割五鈷杵
コンドウワリゴコショ
概要
密教の修法で行者が携え用いる金剛杵(こんごうしょ)の一種。外見は五鈷杵(ごこしょ)と変らないが、縦割りに二分される構造で、各々が人の形にも見えるので「人形杵」とも呼ばれる。真言密教の儀軌(テキスト)によれば、個人の祈願に応じる愛染王法(あいぜんおうほう)の中でも男女和合や安産を願う敬愛法(きょうあいほう)の修法に用いるものとする。 本品の内面には、さらに金剛杵の図を線刻し、中央鬼目(きもく)部に舎利(釈尊の遺骨の意)を嵌装する点、類品中でも異色の存在である。この舎利は、如法愛染法の本尊である宝珠に通じるものとも考えられる。