刺繍釈迦三尊像
ししゅうしゃかさんぞんぞう
概要
釈迦三尊像を、筆で仏画を描くように一刺し一刺し繍(ぬ)い表したいわゆる繍仏(しゅうぶつ)である。繍仏は、その現存最古の遺例としては、聖徳太子の妃橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)が発願(ほつがん)したと伝えられる、中宮寺(奈良県)の天寿国繍帳(てんじゅこくしゅうちょう)(国宝 7世紀)が知られている。
・繍仏が盛行するのは鎌倉時代に入ってからであるが、その多くは、浄土教信仰に基づく阿弥陀(あみだ)三尊(さんぞん)来迎図(らいごうず)が主であり、本件のような釈迦を主尊とする遺例は、真正(しんしょう)極楽寺(京都府)の刺繍釈迦三尊来迎図(重要文化財)等極めて稀少である。