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離合山水図

りごうさんすいず

概要

離合山水図

りごうさんすいず

絵画 /

杜貫道賛

明時代・14世紀

紙本墨画

各53.6×23.6

1

重要文化財

 明時代の初め、14世紀の文人である杜貫道(とかんどう)が、2幅それぞれの画面の上部に詩を書きつけています。下の山水を描いたのも、あるいはこの人物かもしれません。「離合山水(りごうさんすい)という名称は、この2幅が、1幅ずつ単独でみても、2幅をつなぎわせてみても、どちらでも鑑賞にたえる構図をもっていることに由来します。
 手前には水面が広がり、岸辺に樹木が並びます。その後ろには霞がたなびき、さらに奥に丸みを帯びたなだらかな山々が連なります。個々のモチーフを簡潔に描写し、紙ににじむ横長の墨の点描(てんびょう)を多く用いて、木や山を取り囲む、湿ったやわらかい空気感を伝えようとしているところに特徴があります。このような表現方法は、北宋時代、11世紀から12世紀にかけて活躍した著名な文人画家、米芾(べいふつ)・米友仁(べいゆうじん)親子が始めたもので、その名にちなみ「米法山水(べいほうさんすい)」と呼ばれてきました。技巧を追及せずに、天然の趣(おもむき)を重視する方法であることから、歴代の文人が描き、その中で精神を遊ばせるのにふさわしい山水表現と考えられています。

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キーワード

山水 / / 文人 / さんすい

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