戦争の惨禍(79) 真理は死んだ

版画  その他 / ヨーロッパ 

ゴヤ・イ・ルシエンテス、フランシスコ・デ (1746-1828)
1810-20年
エッチング、バーニッシャー・紙
14.0×19.8
一部額装

 スペインを代表する画家の一人ゴヤ(一七四六~一八二八)年は、人間の醜さ、残酷さ、この世の矛盾を自覚的に表現し、人間や世界の本質に迫ろうとした。彼は、カルロス四世の宮廷画家として世俗的な名声を得ていたが、内乱や飢饉が相次いだ混乱期の中で、また聴覚を失うという病に襲われることで、社会や人間の矛盾に目を向けることになる。「戦争の参禍」は、八十図からなる版画集。そこには、内乱に伴う凄惨な場面、飢饉の惨状、王政への批判などが、克明に描き出されている。図版の第七十九図「真理は死んだ」では、画面中央に真理の象徴である臨終の若い女性が横たわり、その周囲で真理の死を修道士たちが嘆き悲しんでいる。この図に続く第八十図を「彼女はよみがえるだろうか?」と題して、ゴヤは真理と自由の復活に期待を表明し、この版画集を終えた。失望と希望とが交錯するゴヤの複雑な心の襞が伝わってくる作品といえるだろう。(毛利伊知郎)

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