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概要

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油彩画

松本竣介  (1912-1948)

マツモト、シュンスケ

昭和23年/1948

油彩・板・額・1面

60.5×73.0

中央下に署名、年記

2回美術団体連合展 東京都美術館 1948

19
建物
Building1948年
油彩・麻布
60.5×73.0cm
1948年第2回美術団体速合展
1948年6月8日、急死した松本竣介の、これは絶筆である。彼の作品には、この絵のように、「透明な壁」となって目の前に立ちふさがるものが多い。それはとりあえず、閉塞した時代状況の反映とみなしうる。あるいは、そこに絵画という魔物に挑戦してやまない、日本近代の画家の悲壮な姿をみることもできるだろう。いずれにしろ、見る者の、拒絶された視線は、もうどこにも逃げ場はなく、暗黒の入口に誘なわれるばかりだ。友人だった舟越保武がいみじくもいったように、「これほどに、画家の生命の終結を思わせる絵は他にない」。じっさいこれら石造りの堅牢な建物は、いわば死の国への入ロであり、また墓標でもある。舟越はまたこうもいっている。「この絵には、私にとって特別な何かがある。現世への竣介の別れの言葉であると同時に、私に対する励ましと指標のような、竣介が私に示す最後の姿勢が偲ばれることである」。

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キーワード

竣介 / 松本 / 画家 / 生きる

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