竹茶杓 銘 泪
たけちゃしゃく めい なみだ
概要
天正十九年(一五九一)二月、豊臣秀吉に切腹を命ぜられた千利休が、自からこの茶杓を削り、最後の茶会に用い、古田織部に与えた。その後、古田織部はこの茶杓用に、長方形の窓をあけた筒をつくり、その窓を通してこの茶杓を位牌代わりに拝んだと伝えられる。 筒は総黒漆塗で、これを垂直に立てると、いかにも位牌らしくみえる。茶杓は白竹で樋が深く通り、有腰で、利休の茶杓の中でもとくに薄作りに出来ている。千利休-古田織部-徳川家康(駿府御分物)-初代義直と伝来した。『玩貨名物記』所載。
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