モランの寺

油彩画 

佐伯祐三 (1898-1928)
サエキ、ユウゾウ
昭和3年/1928
油彩・キャンバス・額・1面
60.0×73.0

70
モランの寺
Church at Morin
1928(昭和3)年
油彩、麻布 60×73cm
oil on canvas
里見勝蔵によれば、1927年9月に再びパリに到着して以来、佐伯は5か月目に107枚目を、6か月目に145枚目を描いたと手紙で知らせてきたという。こうした白熱的な制作が元来弱かった彼の健康を損ない、結局その寿命を縮めた。彼の最後の制作の高揚期となったのは、1928年2月の約1か月のパリ近郊の村モランへの写生旅行である。この時に描かれた作品は当然ながら田園風景が多いが、その中に村の教会堂をさまざまな視点から描いた連作があり、これらの作品には、〈ガス灯と広告〉などのパリの街頭風景に表れているような感覚の陶酔から離れ、再び厳しい造形性を求める意志が示されている。この絵はモランの教会堂を描いた連作の中でもまず第一に挙げられるべき作品である。形は単純化され、肉太の強い描線で描かれたこの〈モランの寺〉は、〈ガス灯と広告〉とはまた別の魅力をもっている。

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