卣
ゆう
概要
卣(ゆう)は、商代後期の中ごろからアーモンド型の平面形を持つタイプがほとんどになる。細い文様帯を飾るのみのものや、全面に饕餮文(とうてつもん)を表わしたもの、鴟鴞(しきょう)(ミミズク)の形の卣などのバラエティーがある。この卣は細い文様帯に長鼻龍(象をデフォルメしたもの)を飾る。蓋を開けた所に、清代の有名なコレクターの所蔵品であったことを示す「金黼延蔵」の印が押してあり、来歴の一端を知ることができる。
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.31, no.68.