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寛平御時后宮歌合〈藤原定家、同為家筆/〉

かんぴょうのおんとききさいのみやうたあわせ

概要

寛平御時后宮歌合〈藤原定家、同為家筆/〉

かんぴょうのおんとききさいのみやうたあわせ

その他 / 鎌倉 / 近畿

藤原定家、藤原為家

鎌倉

1巻

重文指定年月日:19890612
国宝指定年月日:
登録年月日:

公益財団法人冷泉家時雨亭文庫

国宝・重要文化財(美術品)

 『寛平御時后宮歌合』は、寛平元年(八八九)から同五年の間に成立したと推定される歌合である。本文の構成は春、夏、秋、冬、恋の五題各二十番を収める形式をとるが、通常の歌合にある判者、方人などの記載はない。詠者は藤原興風、紀貫之等一七人の名がみえるが、所収歌は必ずしも当時の新作ではなく、旧作や読人知らずの歌を含み、一種の撰歌合のようなものであったと考えられている。所収歌のうち一七〇首が『新撰万葉集』に収録されており、その編纂とこの歌合が密接な関係にあったことが指摘されている。
 冷泉家本は、もと粘葉本の料紙を相剥ぎして巻子本に改めたもので、巻頭に藤原定家(一一六二-一二四一)筆で「寛平御時后宮歌合」と外題した原表紙を付している。「□□歌合〈二百首/〉」の首題に次いで「四季恋合百番之中册一首、古今集有之」と親本の注記を書写し、さらに「此字不知誰人所注、所入太多歟」と定家の注記があり、これらを含む巻頭九行が定家の書写になり、以下は書風よりみて子息の藤原為家(一一九七-一二七五)の書写になるものである。この歌合は本来は二〇〇首からなるが、本巻は所収歌一九一首で、文中には「左」「右」の記載のみで歌を欠く箇所もあり、番付の記載もない。文中には親本にあったとみられる「古今」「後撰」等の集付【しゆうづけ】に加えて、定家筆の「拾遺」「愚撰」(新勅撰集)の集付や見せ消ち、加注等があり、巻末には定家の筆で、
 「此歌多有字誤、又古今本多有替
 字等、皆是本々之所写来歟
 推而不改直」
の奥書がある。
 『寛平御時后宮歌合』は十巻本歌合、二十巻本歌合の両系統が知られるが、本巻は十巻本の系統の写本で、桂宮本(宮内庁書陵部蔵)の祖本にあたり、藤原定家校訂本として和歌文学史研究上に価値が高い。

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