五代簡要(万葉集等詞抜書) ごだいかんよう

 / 鎌倉 / 近畿 

鎌倉/1209
1帖
重文指定年月日:19890612
国宝指定年月日:
登録年月日:
公益財団法人冷泉家時雨亭文庫
国宝・重要文化財(美術品)

 藤原定家(一一六二-一二四一)が、万葉集、古今集、後撰集、拾遺集、後拾遺集の五つの歌集から和歌あるいはその歌句を抜き出したもので、本帖はその承元三年(一二〇九)三月、藤原定家の自撰になる原本である。
 体裁は綴葉装、表紙を欠き、帖首に「万、古/後、拾/後拾等/詞抜書」云々と墨書する紙片(江戸時代中期筆)を糸で縫い付けている。内題はなく、扉紙に「万葉集」以下五つの歌集名を掲げ、本文は首に「万葉集巻第一」として、以下五歌集の巻次に従って和歌あるいは歌句を抜き書している。本文は半葉八~一〇行、引用歌句の上欄外には本文と同筆の朱書で「旅」「名所」「雲」等、その歌句の部類を標記するが、この標記は万葉集および古今集の巻第十六までに存して、以下にはない。抄出歌は総計約三〇〇〇首に及び、また文中に藤原定家筆の歌句の書入れがあり、この書入れは特に万葉集の部分に多く、またそこには朱書の部類標記はない。
 帖末には、藤原定家の筆で、
 「為備忽妄馳筆書之、
 是為至愚之一身也、専
 為他人無益歟、深禁外見
 承元三年暮春下旬
 羽林枯木(花押)」
と奥書があり、本帖が承元三年暮春(三月)下旬に、定家が備忘のために書いたものであることを明らかにしている。ただし本文の筆跡は定家のものではなく、その周辺の者に書かせたものと考えられる。
 本帖は定家が、作歌の際の参考にし、あるいは典拠とすべき歌句を抄記して自らの手控としたもので、定家自身の評語等はないが、その歌学【かがく】を知る上で注目すべきものである。なお、本書の伝本として、この承元三年本を子息の為家が書写し…

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