大崎八幡神社の能神楽
おおさきはちまんじんじゃののうかぐら
概要
この芸能は法印神楽の一種で、明治維新までは仙台藩から扶持が出ていた。静かな能風の美しさの神楽である。仙台市八幡四丁目の大崎八幡神社の拝殿前の長床【ながとこ】で毎年九月十四日に演じられ、所伝十二番といわれるが、記録の上では十七番ある。
しかし今は次の八番を残している。「神拝」、「小弓遊び」、「竜天」、「摩応」、「三天」、「将足」、「四天」、「獅子とり」。
神楽はもとは、宿坊の十人の社家が演じてきたというが、今は氏子の人たちが演じている。舞台の天井の中央に大浄と呼ぶ桝形の板を打ちつけ、その周囲に縄を巡らし、赤布を下げる。中央に麻を下げ、ここから舞合周囲の注連縄に各辺四本づつ、計十二木の白の千道を通じる等、略式ではあるが飾付が残っている。
法印神楽の一層洗練された神楽として地方的特色の濃厚な芸能である。
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国指定文化財等データベース(文化庁)