阿刀神楽
あとかぐら
概要
阿刀神楽は採物神楽の一つで約七メートル四方に四本の支柱で櫓を組み、約一・五メートルの高さの所に板を張り、その上に莚を敷いた舞台で舞われる。舞台の上方には中央に一つ、その周囲に八つの天蓋が吊される。現在「蛇の口開け」「湯立舞」「所望分け」「将軍」など十二番の神楽が伝えられ、大太鼓・笛・鉦の囃子で演じられる。この神楽の特色は、「所望分け」と「将軍」にみられる。「所望分け」はいわゆる五郎王子神楽または五行神楽と言われるもので、五人の王子による神の財産分配をめぐって争う次第を神楽で白ゆう、薙刀舞、荒神、八つ花、五刀、五郎道行き、合戦の七部に分かれる大曲として舞われる。「将軍」は神楽の最終場面で鎧に身を固めた一人の舞人が舞台の天蓋に吊した米袋を射ると同時に神がかりするもので、別名を「死に入り」ともいい、かつては託宣も行なわれた。
地方的特色が顕著なものとして貴重である。
所蔵館のウェブサイトで見る
国指定文化財等データベース(文化庁)