大元神楽
おおもとかぐら
概要
大元神の信仰による採物神楽の一種で、五年、七年もしくは十三年に一度のムラごとの式年の祭りに執り行なわれる。本来は大元神の仮屋(舞台三間四方に新しい畳を敷く)を設けて舞場としたが、今日では氏神の拝殿もしくは民家の座敷を祭場として、大元神を勧請して舞う。
演目は祭儀的な舞や採物の舞と演劇的な要素の濃い神能とに大別される。舞には「四方固」「太鼓口」「汐祓」「剣舞」「手草」「御座」「綱貫」「成就神楽」などがある。これらは昔からの慣例に従って、別の大元神の神職役同志が互いの神楽を手伝い合う組が出来ており、都合のよい神職役が七~十名ぐらいで一団を結成する。神能は「岩戸」「弓八幡」「蛭子」「塵輪【じんりん】」「八咫」「武御名方」「天神」「佐陀」などで、大元神楽の行なわれるムラの有志がこれを受け持ち、適宜に役を割り当てて演じる。藁蛇による神懸りと託宣も行なわれる。囃子には大太鼓、笛、銅拍子が使用される。
この神楽は採物神楽の一つとして、非常に古風な内容を持ち、地方的特色が顕著で、きわめて重要なものである。
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国指定文化財等データベース(文化庁)