つき

木版画 / 昭和以降 / 日本 

藤牧義夫 (1911-1935)
ふじまきよしお
1934
木版、紙
12.5×12.8
神奈川県立近代美術館

 24歳で突然、東京で消息を絶った、謎の多い版画家の作品です。暗褐色の地色に色版が重ねられ、手彩もほどこされ、布で軽くたたき、指で直接絵具を付着させるなど、多様な技法がこらされています。とくに「三角刀」と呼ばれる彫刻刀による鋭く刻まれた線が縦横に疾駆していく個性的な表現が確立した作品として重要です。
 1934年の『新版画』に掲載された作品ですが、藤牧はその年の正月に故郷の群馬館林に帰郷していません。ですから描かれたのは東京で眺めた月かもしれません。「都会……自分は都会に生きて居る 都会の何物かを求めつゝ、その都会が自分を苦しませようとも、自分はそれに打当つて行く、強烈な光が、音響が、色彩が、間断なく迫るその中に、不安な気持で生存する事実……それを唄ひつゝ自分は常に強く行く*」。作品には都会に生きる決意と望郷の思いが重なっているようです。
*(「作者の言葉」『新版画Leaflet』No.3、1934年)

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