西大寺寺領絵図
さいだいじじりょうえず
概要
奈良西大寺に伝来した古絵図で、平城京の京北の地の班田図と西大寺敷地図及び、西大寺と秋篠寺堺相論絵図等を併せ存している。第一幅の京北班田図は西大寺所蔵分と略同図の絵図であるが細部については差異が著しく、西大寺本とは別系統の転写本と認められ、第二幅の条里図と並び、律令時代における平城京の条坊の姿を伝えて貴重である。第四幅の敷地図以下の周辺寺領図は西大寺の伽藍配置とその敷地を示したもので、叡尊らの復興にかかる時代の復元條坊図として注目される。第三幅の堺相論図は嘉元年間以降秋篠寺との間で行われた堺相論に関するもので、嘉元元年から文保二年の相論にさいし、秋篠寺から西大寺に差出された絵図である。