仔牛誕生 こうしたんじょう

日本画 

和高節二 (1898(明治31)年-1990(平成2)年)
ワダカ・セツジ
昭和45年/1970年
紙本彩色
158.3×263.2

日に日に成長する仔牛を温かく見まもる農婦。正面を向いた牛の飾り気のない無垢な表情が印象的ですが、その姿や背景描写が節二の師事した平福百穂の大正七年の第一二回文展出品作《牛》に近似しているのは偶然でしょうか。ともに墨を主調とし、背景描写を省略していいます。背景の処理については、百穂が絹に金の裏箔を施すのに対し、節二は胡粉によって白く塗り込めているという違いがあります。地に腰を下ろし頬杖をつく女性の柔和な表情は、どこか仏様のようでもあります。動物と人間との心のふれあいが心温まる情景としてとらえられた佳品です。
和高節二は、現在の広島県安芸高田市向原町生まれ。東京の川端画学校や日本美術学院に短期間学んだほかは、一貫して郷里で創作を続けました。特定のグループに属することなく、言わば横断的に、昭和初期からさまざまな展覧会に佳作を次々と発表。1940年の紀元二千六百年奉祝展覧会では最高賞の文部大臣奨励賞を受賞して一躍脚光を浴びました。戦後も向原で創作活動を続け、広島の美術界にも大きく貢献しました。

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