南部七戸小田子不動堂奉納絵馬
なんぶしちのへこだっこふどうどうほうのうえま
概要
我が国には、古くから、大絵馬・小絵馬などを有名社寺や身近の社寺に奉納し、神仏の加護にすがって、生業の繁昌や人生の無事息災などを全うしようとする習俗が全国的に見られる。
南部七戸小田子不動堂は、七戸町中心部近くに位置する。南部政光により見町観音堂と同時代頃に創建されたと信じられており、縁日である正月3日は、参詣者で賑わいをみせたという。
この不動堂に奉納された、現存する絵馬は108点である。そのうち、紀年銘の確認できる絵馬が91点あり、大部分が17世紀中葉から19世紀中葉までの江戸時代に奉納されたものであることがわかる。図柄は馬を描いたものが多く、馬を左向きに見返り風に描いた、いわゆる「藤右衛門の小絵馬」として知られる一定形式の小絵馬が多い。奉納者は、七戸に集中し、所給人が8割以上を占める。奉納には、縁日の正月3日に因む月日が記されたものが多い。