紙本白描時代不同歌合絵
しほんはくびょうじだいふどううたあわせえ
概要
時代不同歌合は後鳥羽院(1180~1239)が配流先の隠岐で撰した歌合で、万葉集・古今集・拾遺集などの古典的歌人を左方に、後拾遺集から新古今集までの比較的新しい歌人を右方として都合百人の歌人を選び、各3首ずつで150番歌合としたもの。後鳥羽院による時代不同歌合は歌人の姿を伴う絵巻であったと想像され、のちに数多くの転写本が描かれた。東博本はそれらの一本であるが、鎌倉時代にさかのぼる白描による作品で、前半の50人を含む。同種の他の作例が全て残欠本である中で、本作品は当初の前半部分が完存する唯一の遺例である。