牛ノ谷経塚出土品
うしのたにきょうづかしゅつどひん
概要
この経筒は、朝日町中野の牛ノ谷経塚(経塚=矢ノ浦経塚出土遺物の項参照)から昭和25年に武雄中学校の発掘調査で出土したものである。青銅製の経筒1口と青白磁製の合子及びその中に納められていた銅銭1枚が一括して出土した。
【青銅製経筒】蓋付きの円筒式で、総高が30.3cm、本体は直径5.7cm、厚さ0.1cm、高さ27.2cm、台の直径7.9cmあり、筒の径に対して高さが高いという特徴がある。蓋は笠蓋で、最大径8.6cm、高さ3.7cmあり、宝珠形のつまみを持っており、本体内側に入る短いかえりが付いている。
【青白磁合子】蓋付きで総高5.3cm、本体は口径4.6cm、高さ2.2cmで、蓋は口径5.3cm、高さ1.7cmあり、蓋の上面には草花文が浮彫りされている。この合子の中には欠損した1071年初鋳の北宋銭「天禧通宝」とみられる銅銭が納められていた。
経塚が造られた時期としては、合子等から平安時代末期と考えられ、当時の仏教思想のあり方や精神活動を知る上で重要な資料である。
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