太刀 銘一備前国○○住人左兵衛尉助次 金象嵌 袖の雪
たち めい びぜんのくにじゅうにんさへえのじょうすけつぐ
概要
この太刀はもと、庄内藩中老菅実秀(1830~1903)の愛刀で、明治28年酒井忠次3百年祭の折、酒井家に献上したもの、後致道博物館所蔵となる。黒漆塗の休め鞘には「天正三乙亥年五月二十日子ノ下刻、武田兵庫頭信実討死の刻、三州名倉住奥平喜八郎信光得之」とある。長篠合戦の折のことである。
助次は延慶三年(1310)記に見る如く鎌倉末期の備前吉岡一文字派の刀工である。腰反り高く踏ん張りがつき、小鋒のバランスの良い姿である。鍛は板目肌に杢目が交じり、乱れ映りが立ち、刃文は直刃調に小互の目交じり、総体に逆かかり、足、葉入り匂口締まりごころとなる。帽子は小丸、佩表腰元に梵字を刻す。
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公益財団法人致道博物館