清都家測量器具等関係資料
きよとけそくりょうきぐとうかんけいしりょう
概要
清都家は代々、越中国砺波郡放寺村の肝煎役などの村役人をつとめた家柄である。
和算家・測量家などとして高名な越中射水郡高木村(現・射水市高木)の石黒信由(1760~1836)に算学・測量術などを学んだ同家18代彦右衛門春連、および19代彦四郎(露翠)は縄張人(測量技術者)として各地で活躍した。文政2年(1819)に加賀藩から検地の縄張人に任命され、各地の内検地に従事し、また庄川筋をはじめ加賀・能登まで測量に出た。
その測量及び地図作成の器具類が同家に伝存していた。
そのうち磁石盤と強盗式磁石台は、師の石黒信由が文政2年藩命をうけて、加越能三州を測量したときに使用したものと同種である。
そのほか、測量器具を勾配板・目当用棹、また地図作製用具の地割紙・伸縮紙・定木・曲尺・遊表等も同じく信由の使用したものと同じである。
これらの測量と地図作製の器具類がまとまって現存している例は他になく、石黒信由が極めて精密な加越能三州の郡図・国図・三州図を作製した関係資料として貴重であることは勿論、江戸時代後期の測量技術を知る資料としても重要である。
平成元年(1989)、これらの資料は一括(98件)で富山県より文化財(歴史資料)に指定された。
そして平成18年、同家23代小彦太氏はこれらの資料を一括(「放寺村等四ヶ村耕地絵図」(明治8年)を除く97件)で高岡市に寄贈された。
【主な資料】
①測量器具…軸心磁石盤、強盗式磁石台、勾配板など
②製図器具…割円度(附・比例表、游表)地割紙、定木、曲尺、游表、渾発(コンパス)、用界、鉄筆など
③絵 図…「砺波郡太田村領新開願場所内検地領絵図」2枚(文化13年・文政11年)、「河北郡一町五厘略絵図写」、「小矢部川縁絵図」(附・野帳)など
④書 籍・・・石黒信由著『算学鉤致』全3巻(版本)、石黒信由著『側遠要術』(全5巻、手写)、五十嵐篤好著『地方 新器測量法』全2巻(版本)など