梨子地琵琶形香合
なしじびわがたこうごう
概要
琵琶形香合の棚飾り。腹板や鹿頸・海老尾に相当する部分を木目模様の研出蒔絵(とぎだしまきえ)とし、覆手は金沃懸地(きんいかけじ)に波千鳥を付描し、撥面には満月に萩をあらわす。満月は銀平文(ぎんひょうもん)、萩は金銀の研出蒔絵。柱は金沃懸地とし、絃と半月は金蒔絵で線描する。合口部は金沃懸地、蓋裏・見込みと底面は梨子地とする。側面は梨子地に銀蒔絵で流水文をあらわす。銀製の転手は四本の内二本が欠失している。
昭憲皇太后が明治34年1月に御用品とされたものを、大正3年8月22日に「御残品」として11代鍋島直大夫人栄子が拝領したもの。この時、小机と扇形置物も同時に拝領している。永田町鍋島邸日本館の御道具として伝来した。