黒漆塗十三本骨軍扇
くろうるしぬりじゅうさんほんほねぐんせん
概要
武将が、軍陣の際に扇を携帯する習慣は早くからあり、有名な『平家物語』『蒙古襲来絵詞』などにも、当時の軍記物にいう種々の扇が数多く描かれている。軍扇は単なる指揮具であるだけでなく、武将の地位を示す持ち物として用いられ、時には涼を入れるため、また時には閉じて物を指したり手なぐさみをするなど多目的に用いられたことがうかがえる。本作は、江戸時代後期のもので、軍扇として頑丈に作られており、表側には金箔の地紙に、朱色の日の丸を大きく、裏側には朱漆塗りの地紙に、金色の日の丸を描く。親骨を含めて、十三本の黒漆塗りの骨(木製)を使用し製作されている。
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