朱漆輪花盤
しゅうるしりんかばん
概要
縁を九弁花形とした大形の輪花盤。盤面は円形で、九弁輪花形の高台を大きく刳って三脚としている。塗りはいわゆる根来塗で、朱漆が擦れた部分には、下に塗られた黒漆が見える。
器形は舶載された中国製の輪花形陶磁器や漆器をもとにしている。「慕帰絵」(14世紀、京都・西本願寺所蔵)などには禅林の茶会において高台をともなった大型丸盆に天目台や茶筅・茶碗を盛った場面が描かれるが、本品のような輪花形大盤も丸盆同様、茶道具を載せるのに用いられたと考える。
中世の唐物尊重の風を受けた唐様朱器の一例であり、禅林茶法を受けた茶会の盛行を物語る品として大変貴重である。