ZITenHUYS
じってんはいす
概要
司馬江漢が天明年間(1781-1789)に制作した風景銅版画のひとつ。「ZITenHUYS」という表題は、おそらく「ZIEKENHUIS」(オランダ語で病院のこと)の誤りと考えられています。江漢はその著書『和蘭通舶』で、西洋の貧しい者、身体障害者のための施設、孤児院、病院などの福祉施設の充実ぶりについて述べています。本図が描かれたのも、このような知識を広める意図があったのかもしれません。ただし、本図のもととなったイギリス製の銅版画は、ロンドン郊外にある貴人の邸宅を描いたもので、本来は病院などとは関係がないことが指摘されています。この舶来銅版画をもとにして本図を描いた司馬江漢の真意については検討の余地があります。
【江戸の絵画】