篆書易経家人軸
てんしょえききょうかじんじく
概要
洪亮吉@こうりょうきつ@が、『易経@えききょう@』第37卦・家人の則を篆書で記したものです。洪亮吉は乾隆55年(1790)に榜眼@ぼうがん@(第2席)で進士で及第した人物で、経学者として知られ、孫星衍@そんせいえん@とともに「孫洪」と並称されました。
両者はともに金石学・文字学にも精通し、李陽冰@りようひょう@や夢英@むよう@の様式を髣髴させる細身で均一な線質の篆書を善くしました。本作でも鋒先を露にせず、均質な線で筆を進め、破綻のない精密な字姿を終始保っています。鄧石如@とうせきじょ@を祖とする碑学派@ひがくは@が勃興するまで、篆書では同様の様式が風靡していたと言います。