木造菩薩形立像及び木造天部形立像2躯
もくぞうぼさつぎょうりゅうぞうおよびもくぞうてんぶぎょうりゅうぞうにく
概要
木造菩薩形立像及び木造天部形立像2躯
もくぞうぼさつぎょうりゅうぞうおよびもくぞうてんぶぎょうりゅうぞうにく
平安
品質:木造彫眼素地
形状:
菩薩形立像:垂髻を結う。天冠台(列弁・紐一条からなる)を彫出する。頭髪は毛筋をあらわさず平彫りとし、鬢髪一条を耳の後ろに流す。三道彫出。着衣は、上半身に条帛を左肩から斜めに掛け、天衣を両肩に懸け、膝前にて二巡する。下半身に裙を着け、腰部で折り返す。腕釧をつける。左足をやや前に出して直立する(両足先亡失)。
天部形立像1:兜を被り、着甲する。相貌をやや左前方に向け、両目を見開き閉口する。右足に重心を置き左足を遊脚として立っていたと思われる。
天部形立像2:髻を結い、着甲する。相貌をやや右前方に向け、両目を見開き開口する。左手を上方に上げ、右手を下ろしていたと思われる。右足に重心を置き左足を遊脚として立つ。
「像高」
菩薩形立像:132.0㎝
天部形立像1:154.0㎝
天部形立像2:146.5㎝
3躯
松本市指定
指定年月日:20200327
個人
有形文化財(美術工芸品)
本物件はいずれも10世紀~11世紀の制作と推定され、平安時代前期の一木彫像の特徴をよくあらわしている。長野県内に残る木彫像としては最古級のものといえる。
本物件は元々県外の寺院にあったが、明治期に蚕糸業で財を成した所有者の祖先が昭和初期に購入したとされ、その後現在まで大切に残されている。明治期における松本地域の蚕糸関連の発展に伴い招来されたものであり、松本市の歴史や文化と密接に結びついた文化財といえる。