楼閣山水人物螺鈿合子
ろうかくさんすいじんぶつらでんごうす
概要
漆を塗った漆器の表面に、薄く切った貝殻を組み合わせて文様を表わす工芸技法を螺鈿といいます。中国の元時代の螺鈿になると、貝片(かいへん)で絵画を表わしたような作品が製作されるようになりました。螺鈿漆器には、黒や赤の漆を塗り、白い貝片を装飾するモノトーン調の作品が多いのですが、この作品にはさらに金箔や朱や緑の色漆(いろうるし)が補われているので、カラフルな趣となっています。
これは身と蓋をぴったりと合わせた合子(ごうす)という形式の器(うつわ)です。まず蓋表をごらんください。中央の丸い画面には、趣味の良い住居の庭で飲食をする男性の姿を中心にして、のどかな山辺の景色が表わされています。紅葉している樹木があるので、これは秋の風景かと思われます。肩や腰に当たる部分には、蓮の花が咲く池で水鳥たちが遊ぶ水辺の景色が表わされています。側面には、藻が茂った池のなかで魚や海老が泳ぐ水中の景色が表わされています。
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