版経断簡「仏説無量寿経(巻第一)」
ぶっせつむりょうじゅきょう
概要
「仏説無量寿経」
大無量寿経、大経、無量寿大経、大本、大本無量寿経、双巻経ともいう。
【成立】
紀元後間もない頃(AD100年頃)、北西インドにおいて成立したと考えられている。
【内容】
2巻。釈尊が王舎城の耆闍崛山の中で、大比丘衆(優れた出家者たち)と大乗の教えを求める多くの菩薩(求道者)たちに説いた教え。上巻は「無量寿仏およびその仏国土」について説き、下巻はその「無量寿仏の国に生まれる衆生(人間)」について説く。
【後世への影響】
本経と仏説阿弥陀経と仏説観無量寿経の3部を浄土三部経と総称する。この三部経の観念は曇鸞の無量寿経優婆提舎願生偈註に最初に見られるが、浄土三部経と呼んだのは日本の法然である。3経ともに浄土教の所依の経典であり、広く東アジアの浄土教徒に流布し、奉持され、多くの学僧によって注釈がなされた。
【関係経典】
仏説無量清浄平等覚経・仏説阿弥陀三耶三仏薩楼仏檀過度人道経・仏説大乗無量寿荘厳経・仏説大阿弥陀経・仏説観無量寿仏経・仏説阿弥陀経など
大蔵経全解説大事典(1998年)より抜粋