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金銅牡丹文磬

こんどうぼたんもんけい

概要

金銅牡丹文磬

こんどうぼたんもんけい

金工 / 鎌倉

鎌倉時代・13世紀

銅製 鋳造 鍍金

肩幅19.9 裾幅22.2 高14.0 縁高1.0

1面

 磬(けい)は仏教で用いる道具で、打って音を鳴らします。打ち鳴らすことで、儀式の節目(ふしめ)や合図(あいず)とするのです。磬は現在でも仏教寺院でよく使われています。専用の撥(ばち)で中央のあたりをたたくと、「カーン」という甲高(かんだか)い響きがします。
 磬はもともとは石で作られた、紀元前の古代中国の楽器でした。古代中国の磬は、音響の良い石材を左右対称でない山形に削り出し、大きさを少しずつ変えたものを順番に吊るし、打ち鳴らして音階を出しました。その後、どのような経緯で、仏教に取り入れられたのかはよくわかっていません。日本の仏教で使われた磬は、そのほとんどが石製ではなく金属製で、形はきれいな左右対称の山形であるのが、最も一般的です。
 この磬は、銅に少量の錫(すず)を混ぜた青銅を鋳造し、表面に金メッキをしています。金銅とは、銅製で表面に鍍金(ときん)、つまり金メッキをしているということです。表と裏には、牡丹の花と葉をあらわしています。磬の縁が太く厚くなり、山形の角度が急になってきていること、文様が鮮明にくっきりとあらわされている点など、13世紀後半ころの特色を示しています。日本の磬では、真ん中に蓮の花、その左右に孔雀を配したデザインが最も一般的ですが、このように牡丹をあらわした例は珍しいものです。

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キーワード

/ 孔雀 / 鳴らす / Kei

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