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銅孔雀文磬

どうくじゃくもんけい

概要

銅孔雀文磬

どうくじゃくもんけい

金工 / 平安

平安時代・12世紀

銅鋳造

1面

 磬は仏教で用いる道具で、打って音を鳴らします。打ち鳴らすことで、儀式の節目(ふしめ)や合図(あいず)とするのです。磬は現在でも仏教寺院でよく使われています。専用の撥(ばち)で中央のあたりをたたくと、「カーン」という甲高(かんだか)い響きがします。
 磬はもともとは石で作られた、紀元前の古代中国の楽器でした。古代中国の磬は、音響の良い石材を左右対称でない山形に削り出し、大きさを少しずつ変えたものを順番に吊るし、打ち鳴らして音階を出しました。その後、どのような経緯で、仏教に取り入れられたのかはよくわかっていません。日本の仏教で使われた磬は、そのほとんどが石製ではなく金属製で、形はきれいな左右対称の山形であるのが、最も一般的です。
 この磬は、銅に少量の錫(すず)を混ぜた青銅を、鋳造して作られています。中央には蓮の花を上からみた図を配置し、その左右に2羽の孔雀を表しています。孔雀はおめでたい鳥として、日本ではしばしば美術や工芸にあらわされました。特に仏教では、孔雀は毒蛇を食べると考えられ、神秘的な力を持つ鳥とされました。

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キーワード

/ 孔雀 / ゃくもんけい / 撞座

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