石造ヤクシー半身像
セキゾウヤクシーハンシンゾウ
概要
石造ヤクシー半身像
セキゾウヤクシーハンシンゾウ
制作地:マトゥ-ラ
総高33.6cm
1躯
ストゥーパの周囲に配された欄楯(らんじゅん)の一部で、赤味がかかった砂岩で彫成されるところから中インドのマトゥーラ地方のものと推定される。豊かな乳房をもつヤクシー像を高浮彫であらわす。ヤクシ-はインド土着の民族神で、森や樹木の精霊だったが、仏教に採り入れられて、正法を守護する神としてストゥーパのまわりなどにあらわされた。儀軌にとらわれない自由な姿と豊満な裸身を誇示することが多い。本像はカルカッタ博物館にあるヤクシ-像3躯(蘭盾浮彫)に岩質・大きさ・作風などよく似ている。同期同系の作であろう。右手に持っている珠様のものは、あるいは葡萄などの果実かも知れない。