鷹司兼煕詠草集
たかつかさかねひろえいそうしゅう
概要
鷹司兼煕(1659-1725)の折紙詠草(横詠草)26葉を貼り継いで巻子装に仕立てる。能書としても知られる兼煕の詠歌は自筆の歌集や和歌短冊のほか、内裏や仙洞御所における和歌御会の記録などに多く伝わり、本作品に収まる26葉のうち18葉についても、兼煕が左大臣在任中の元禄8-11年(1695-98)頃の和歌御会のための詠草であることが確認できる。全葉に批点があり、袖には「兼煕上」とあることから、その点者は霊元天皇(1654-1732、在位1663-87)と考えられる。近世前期の能書公家と天皇の手になる作品であり、霊元天皇の詠歌指導の様子を伝える資料としても評価される。