大方広仏華厳経入不思議解脱境界普賢行願品
ダイホウコウブツケゴンギョウニュウフシギゲダツキョウカイフゲンギョウガンボン
概要
これは奥書によって元の世祖の至元二十八年(1291年)四月八日、経南山万寿禅寺の光明禅寺恵月の発願によって書写された大方応仏華厳経とわかる。元来紺紙金泥経で高麗のものは若干日本に伝来しているが、中国のもので年記の確かなものは極めて珍しい。また各巻の見返部分に金銀泥で密画変相が付いているが、この華厳経行願品見返絵の片隅に款記があって画工の名もわかり、書としては基より、絵画資料としても貴重である。