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六面石幢

ろくめんせきどう

概要

六面石幢

ろくめんせきどう

その他 / 東北 / 山形県

山形県

室町後期~戦国前期

宝珠形の笠石から幢身まで1つの石(凝灰岩)で造られている特色ある六面石幢である。幢身は、六角形をなし、各面とも凝灰岩特有の凸凹がひどく、現在ではどこにも地蔵尊像や梵字、経文、種子、年号等の刻銘を認めることは困難である。幢身に龕、あるいは地蔵尊像の陽刻はなく、各面とも平面である。台座は同じく凝灰岩で下部は地中深く埋まっている。台座上面中央に穴をうがち幢身下部を埋めている。

台座・幢身・笠石を含めた総高さ224cm(台座80cm(地中55cm)・幢身110cm・笠石34cm)。幢身は、六角形をなし、一面28cmの幅を有している。台座は横100cm、縦63cm、2段を有している。

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山形県新庄市十日町字小檜室2702番4

新庄市指定
指定年月日:20140129

有形文化財(美術工芸品)

六面石幢ごとき石幢建立の風は、中国唐時代、経文を石に刻んだ経幢を建てる風に起源するといわれる。中国では八角形の多角形石柱に仏頂尊勝陀羅尼経の経文を刻む風が盛行し、この石柱の影を身にうけるだけでも功徳があるとされたという。この風は、平安時代半ばごろ、わが国にもたらされ、方々に石幢が建立されたという。鎌倉時代には、六面石幢が現れて、幢身上部に梵字や仏像が陽刻されるようになり、さらに室町時代に至ると、当時の地蔵信仰と関連して、六面石幢の建立が爆発的に盛行する。この時代、石柱の上に中台をおき、その上に六面の石幢をおき、その上部に笠石をのせる形式のものが多くなるといわれる。石幢の六面の各面に地蔵尊像を一体ずつ刻むことが多いので、これを六地蔵石幢ともいうが、これは六地蔵信仰の流行と結びついたものといわれる。本指定の六面石幢もあるいは六地蔵を彫ってあったものかとも思われるが、現在ではその跡は認め難い。形式からみて、室町時代末ないし戦国時代前期の建立と考えられる。

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キーワード

六地蔵 / / / 地蔵

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