年未詳七月十日付 前田利長書状(篠原長次宛)
ねんみしょうしちがつとおかづけ まえだとしながしょじょう しのはらながつぐあて
概要
加賀前田家2代当主・前田利長が盆にあたり鯖20枚を贈呈されたことに対する礼状である。
花押は利長が慶長13~16年(1608~11)に使用していたものである。
宛先の篠原織部(長次。1589~1649)は利長の父利家の3男で、利長の義弟。前田家重臣・篠原長重の養子となる。大坂冬・夏の陣で戦功をたて、義兄篠原一孝の没後、2400石を分与され3000石を知行。不祥事で配流された際、和歌山藩主徳川頼宣から6000石で招かれたが応じず、3ヶ月後、3代当主前田利常の信を回復して6000石となった。
【釈文】
盆之祝儀として
鯖廿指到来候、
心さし祝着候、
謹言、
七月十日 利長(花押)
篠原織部