黒漆太刀
クロウルシタチ
概要
備前長船(おさふね)派の刀工、則光(のりみつ)の制作になる太刀。遺存状態も良く、華やかな丁子乱(ちょうじみだ)れの刃文など、長船派の特徴が十分観察できる。 拵(こしらえ)も黒漆太刀(こくしつたち)の形式で、これに大きく菊文を織り出した銀襴(ぎんらん)太刀袋と朱漆塗太刀箱まで伴う。いずれも古様で、太刀の年紀、享徳二年(一四五三)からさほど降らない室町時代のものと思われる。中世の太刀と付属の品々がまとまって伝存するひじょうに貴重な作例。もと春日大社に伝来したものと伝える。