蒼林図

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日本画 

入江波光 (1887-1948)
イリエ、ハコウ
大正12年/1923
彩色・絹本・軸・1幅
35.6×42.2
右下に印章
日本美術展覧会(「風景(巴里風景)」) 京都、岡崎第二勧業館 1923

11
蒼林図
Green Grove
1923年
絹本彩色・軸 35.6×42.2cm
大正期の日本画は、明治期において横山大観、菱田春草、竹内栖鳳らが目指した日本画の改革の後を受けて、西洋的な絵画思考をより根底から理解し、それを日本画という技法のなかに血肉化していこうとした。そうした流れをもっとも端的にしめすのは、東京側における速水御舟、小茂田青樹ら院展目黒派と呼ばれた画家たちと、京都側における国画創作協会であった。とくに後者は、西洋的な絵画技法を大胆に取り入れた、ひじょうに革新的な作風で関西のみならず文展、帝展といった官展系の作家にも大きな影響をあたえた。その中で、土田麦僊、村上華岳、小野竹喬といった人々に混じって、入江波光の活動を見落とすことはできない。
繊細な筆触と微妙な彩色で、自己の内奥にひそむ理想の世界を優美に表現していた波光にとって、大正11(1922)年春の渡欧中に、ポンペイの壁画や中世のフレスコ画に接したことは決定的な意味をもった。画面はますます、浪漫的で甘美になり、あたかも時が止まったかのような静けさを帯びるようになった。こうした、どこかしら日本ばなれした静けさは、滞欧作とおもわれるこの《蒼林図》からもはっきりと見てとれよう。神経の行き届いた細やかな描写と、フレスコ画をおもわせる柔らかな色調によって、すべては模糊とした深みのうちにあり、溢れるような情感をたたえている。

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