明月記〈正治二年秋/自筆本〉
めいげつき
概要
藤原定家が従四位上、左近衛権少将兼安芸権介、三十九才の時の日記で、正治二年(一二〇〇)秋七月一日より九月卅日までの記事を収める。正治二年記は現存する定家自筆本のなかでも初期に当たる。体裁は巻子装で、表紙は紺紙後補表紙、「正治二年秋」と朱筆外題があり、首に厚手楮紙の旧表紙が貼付され、定家筆と思われる「正治二年秋」の墨書外題がある。料紙は無界の楮紙で、本文は首の「正治二年」という定家筆の年紀標記から始まる。また、文中には定家自筆の墨訂正、加筆がまま見られ、後筆の墨首付を付している。本文の記事は政治史、歌道史の上で重要な事実を含み貴重である。